香りの散歩道


桜湯

墨絵・朝野泰昌
桜の開花予想が、気になる季節になりましたね。
みなさんは、毎年どこでお花見を楽しまれていますか。

町で一番の桜の名所、ご近所の公園や川土手、なかには、庭にある一本の桜の木が、花を咲かせる日を心待ちにされている方もいらっしゃるでしょう。

この時期、午後のティータイムには、ちょっと優雅に「桜茶」を味わってみませんか。
八重桜の花を塩漬けにしたものに、お湯をそそいで飲むお茶です。
「桜湯」とも呼ばれ、昔から、祝い事の席に華を添える、縁起物として親しまれてきました。

白い茶碗の中で、桜の花が一輪、ゆっくりと花びらを広げてゆく。
まさに、花開く光景を眺めていると、「きっといいことがある」と思わせてくれますね。
ふわりと立ちのぼる芳(かぐわ)しい香りも、桜茶が幸せな気分にしてくれる理由のひとつでしょう。

この塩漬けの桜は、塩をさっと落としてから使います。
熱燗にした日本酒をそそぐと、桜酒になりますし、塩抜きをすれば料理やお菓子づくりにも使えます。
食べられる花、エディブルフラワーですから、桜茶や桜酒を飲んだあとの花も、捨てずに使ってみてはいかがでしょう。

一年中楽しめるものですが、特に桜の季節には、春の香りを思う存分、味わってみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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